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ガスパイプラインが原因だったシリア内乱

islamic-pipeline.jpg

イスラム・パイプライン



◆イスラム・パイプライン

2011年1月、イラン、イラク、シリアがイラン産(サウスパースガス田)の天然ガスを西へ運ぶため、イラン・イラク・シリアを通るイスラム・パイプライン建設に合意した。上記がそのラインである。このラインはイラン産のガスが、イラン⇒イラク⇒シリア⇒レバノン南部⇒地中海⇒ギリシャ(ヨーロッパ)へと東西に伸びるパイプラインである。もし、このパイプラインがヨーロッパに繋がると、イラン、イラク、シリアがヨーロッパのガス供給を握ることになり、反イスラエルのイラン・シリアがヨーロッパに影響力を持つようになる。これはイランの脅威を取り除きたいイスラエルにとって極めてよろしくない。



◆カタール・パイプライン(南北)VSイスラム・パイプライン(東西)

イスラエルにとってイランの脅威もあるのだが、実はシリアにも原因があった。実はシリアを通るパイプラインには、イスラム・パイプライン(東西)以外にもカタールを起点とするパイプライン(南北)も計画されていた。このカタールを起点とするガスパイプラインは、カタール⇒サウジ⇒ヨルダン⇒シリア⇒トルコ⇒ヨーロッパへと繋がるパイプラインであった。

天然ガスをロシア供給に頼らざる得ないヨーロッパ諸国にとって、カタールの天然ガスはロシアの影響から脱することに繋がるもので、ヨーロッパとしても、そのガスパイプライン施設は大賛成であった。

しかし、シリアはカタール起点のパイプライン施設を拒否した。そして、イスラム・パイプラインを選択した。これはヨーロッパ諸国にとっては痛い。



ノースフィールドガス田

ノースフィールドガス田


ところで、イラン産のサウスパースガス田はペルシャ湾にあり、カタール産のノースフィールドガス田と同地域に存在している。サウスパースはイランが管理し、ノースフィールドはカタールが管理している。この海域には莫大な天然ガス資源がある。ちなみに2007年カタールはノースフィールドガス田を使ってドルフィン・ガスパイプラインを稼動させている。これはカタールからアブダビ・UAE・オマーンなどの隣国に繋がるパイプラインである。


ドルフィンガスパイプライン

ドルフィン・ガスパイプライン


これとは別にカタールでは、もう一つのパイプラインが計画されていた。それが上述のノースフィールドガス田(カタール)⇒サウジ⇒シリア⇒トルコ⇒ヨーロッパへ繋がる南北のパイプラインである。このラインが施設され、稼動すれば、カタールは大儲けできるし、パイプラインが通るヨルダン、トルコも恩恵を受ける。トルコは密かに中東の覇権を狙っているから、このパイプラインは外交手段としても使える。

ヨルダン、サウジ、カタール、トルコの利害は一致していた。あとはシリアだけであった。しかし、イスラエルと対立するイランを擁護するシリアは、欧米派に属するトルコ、ヨルダン、カタール、サウジに協力せず、カタール・パイプラインを拒否した。そして、イラン産(サウスパースガス田)のイスラム・パイプラインを選択した。

これにはカタールにとってもヨルダン、トルコにとっても大打撃である。そこで、カタールのガスパイプライン計画を推進したいアラブ諸国(カタール、ヨルダン、トルコ)はシリアで内乱を起こし、アサド政権を打倒することを画策した。そして、シリア内乱を起こした。

今回のシリア内乱において、カタールはシリアの反政府軍に武器提供を行い、ヨルダンは自国内で、自由シリア軍兵士の戦闘訓練まで施している。そして、シリアのアサドを倒すべく、イラン・イラクを除くシリア周辺のアラブ諸国は一致団結している。




◆代理戦争(シリア内乱)

シリア内乱における「アサド軍」VS「反政府軍」の戦いは、ガスパイプラインの建設に絡むエネルギー利権争奪戦であり、イラン(背後はロシア)のエネルギー利権が勝つか、アラブ(背後は欧米)のエネルギー利権が勝つかの重要な戦いとなっている。このことから、シリア内乱は、自由解放運動でも何でもない。これは欧米VS露イランによるシリアを舞台にした覇権争いであり、その初戦である。

もし、この戦いでアサドが倒れれば、カタールのガスパイプラインが通り、これによりヨーロッパはエネルギー的にロシアのガス供給から脱する機会を得る。そして、NATOはロシアを追い込むことができる。

逆にシリアの反政府軍が壊滅し、アサド軍が勝てば、イスラム・パイプラインが施設される方向へと進む。これはヨーロッパが、ロシアのみならず、イランにもエネルギー供給を握られることを意味し、ヨーロッパはロシアやイランに対して極めて不利な立場となる。現状、シリア内乱においてはアサド軍が圧倒的に優勢であり、反政府軍は追い込まれている。だから、ヨーロッパとしても何とか阻止したいはず。そうなると次にヨーロッパが打つ手は一つしかなく、NATO軍を動かしてアサド政権を倒すことである。それ以外に道はない。

このようなことから、シリア内乱は単なる小国の内乱ではなく、ゴクとマゴクの代理戦争であり、今後の戦局を左右する重要なポイントとなる。



(参考情報)


「イスラーム・パイプライン」敷設へ:ヨーロッパ向けイラン産天然ガスの新輸出ルートに関し合意

Syria, Turkey, Israel and the Greater Middle East Energy War




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